教職ガイダンスに思うこと

新学期を目前にして,もうガイダンスが始まっていますね.

今日は教職ガイダンスに参加し,外国語学部の学生対象の「英語科教科教育法」の登録希望アンケートを取りに行ってきました.この授業は,清水由理子先生,JJ ダゲン先生,浅岡千利世先生と4人で担当しています.4人のクラスの受講人数に偏りがでないように,登録期間前に希望を聞き,バランスを調整するということをしています.秋学期は特に模擬授業を中心に行うので,人数にばらつきがあると不公平になってしまいますので.

今回は今のところ登録を希望しているのは88人.学期が始まってからも登録に来る人は例年いますが,それでも少し少なめでしょうか?

教育学部と違い,外国語学部で教員免許を取る場合はプラス取得しなければいけない単位数が多くて大変です.頑張っていてもなかなか厳しく,途中で諦めざるを得ない人もいますね.就職も厳しい状況ですので,企業に就職か?それとも教職か?と迷いながらの勉強と就職活動の両立はますます難しいことと思います.

ですが,もし教師になりたい!という気持ちを持っているのであれば,ぜひ諦めずに頑張って欲しいですね.教員は教員採用試験に合格すれば絶対になれるわけですし,こういうタイプの試験というのは自分の頑張り次第で合格をつかみ取れるものですからね.「自分の頑張りとチカラ」によって確実に得られる職です.

それに教員は本当にやりがいのある仕事です.
自分の働きかけが他の人の知識や能力,成長に影響を与えているかもしれないと思うと,仕事する「意味」を実感することができます.

明日から新年度ですね.
私も気持ちを新たに,また1年頑張ります.

 

全国英語教育学会と大阪の夜

私は英語教育を専門としていますので,『関東甲信越英語教育学会』という学会に所属しています.

学会では;

・年次研究大会の開催(例年8月)
・研究紀要の発行
・研究企画委員会による月例研究会,春季研修会の開催
・研究推進委員会による読書会,座談会の開催
・マルチメディア委員会によるマルチメディア講習会の開催
・ニューズレターの発行

などを行っています.英語教育学会ですので,会員は中学,高校の英語の先生方を中心に,大学教員(研究者),大学院生,そして最近は小学校の先生方が増えています.

来年度からこの関東甲信越英語教育学会の事務局長に就くにあたり,この週末は全国各地の地区学会の統一体である『全国英語教育学会』の理事会に,会長副会長と一緒に参加してきました.

議題は;
・研究企画を推進するにあたっての学会費の運用
・2010年度大阪研究大会のプログラムについて
・2011年度山形研究大会のプログラムについて
などでした.

懇親会では各地の学会代表の先生方(北海道から沖縄まで)とお話し,各地での英語教育への取り組みなどをうかがって勉強になりました.
日本の英語教育…
特に小中高での学校教育については,いろいろ考えないといけませんね!

そして!
夜は翌日の出版社での会議の前哨戦.
地元の編集者の方に「新世界」に連れていって頂きました♪
いや~,たのし.

 

佐藤勉先生送別会



 43年間獨協大学で教育・研究に尽力されてこられた佐藤勉先生が3月にご退職されました。12日には学内のスタイルカフェで英語学科、交流文化学科合同で送別会を行いました。学生の皆さんはご存知なかったかもしれませんが、スタイルカフェは閉店後このようなイベントで時々利用されます。
 左は同じ文学がご専門の白鳥先生が思い出を語り、乾杯の音頭をとられたところです。比較的最近入られた方も佐藤先生のご功績に感謝して乾杯(上)。
 佐藤先生はこの4月からも非常勤講師として引き続き授業をお持ちになります。 

 

翻訳者泣かせのタイトル

さて、冒頭からクイズです。下記の文学作品の著者は誰でしょう?

A Wild Sheep Chase

ロンドンの書店をのぞくとフィクションの棚に、Haruki Murakamiの作品がずらりと並んでいます。Norwegian Wood, What I Talk about When I Talk about Running, The Wind-up Bird Chronicle, Kafka on the Shore, Undergroundなどなど。上記のタイトルはその中の一冊。村上春樹の初期3部作の1作『羊をめぐる冒険』です。

店頭の目立つところに平積みなっていることもあり、村上春樹が一部の文学オタクに読まれるだけではなく、海外でも幅広い読者を得ていることを、改めて実感します。ジェイ・ルービン、フィリップ・ゲイブリエルというすぐれた日本文学研究者による英訳がなされた意義も大きいと思います。

さてその翻訳者泣かせなのが、村上春樹の最新作『1Q84』のタイトルです。これはイギリスの小説家ジョージ・オーウェル(George Orwell, 1903-1950)の最後の作品Nineteen Eighty-Fourのもじりです。この小説のタイトルはイギリスでもしばしば1984と数字で短く省略されます。これを「イチキュウハチヨン」と読み、9を同音のQに変えて『1Q84』としたわけです。

内容は直接関連しているわけではありませんが、村上はオーウェルを土台にしています。オーウェルが不気味な近未来を予測し、村上は日常生活の背後に潜む暗く閉ざされたパラレルワールドの可能性を提示します。いずれも架空の世界に現実の負の面を映し出した、いわゆるディストピア小説です。

『1Q84』という文字だけでもオーウェルの1984との連関はある程度明らかですし、Qはquestionの頭文字で現実に対する問いかけを示唆しているのかも・・・というところまでは伝わるでしょう。しかし同音の9とQの言葉遊びは日本語のわからない人には通じません。(タイトルに「日本語では9とQは同じ読み方である」などという注釈をつけたらしらけてしまいます。)このあたりが言葉というものの面白さであり、難しさでもあります。

先日、オーウェルの新訳が出たので読んでみました。とても読みやすい翻訳になっています。オーウェルは人々の生活を常時監視する「テレスクリーン」という恐ろしい機械が近未来に普及することを想像しました。双方向の情報ツールがすでに実現している現在では、SFという印象は薄まり、全体主義に対する警鐘を鳴らす寓意文学として読めます。訳者の高橋和久氏は『一九八四年』と題名には漢字を使っています。書かれてから半世紀以上を経たこの現代の古典的名作には、「イチキュウハチヨン」というデジタル信号みたいな読み方ではなく、「センキュウヒャクハチジュウヨネン」という普通の読み方の方がふさわしいでしょう。

村上春樹の『1Q84』の完結編Book 3が4月に出ます。こちらも楽しみです。

 

ゼミ論文集の編集

先日、ゼミの論文集『Asian Voice』の編集作業をゼミ生の担当者8名でやってもらいました。DTP(Desktop Publishing)ソフトを使った作業は、ソフトの使い方の習得から始まって、けっこうたいへんなんですが、今年もみんな必死で取り組んでくれました。その後、数日間の編集(レイアウトや校正)行程を経て、近々、印刷所へと入稿できそうです。

今年も3月末のゼミ合宿の際には、卒論(4年生)とゼミ論(3年生)が掲載された3百数十ページの論文集2010年版を、卒業する4年生も含めたゼミ生全員に配ることができると思います。それぞれにとって、大学時代の自分の到達点を確認するマイルストーンになってくれればいいなぁと思っています。

 

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