「海運会社で英語を操る」


連続講演会「仕事と暮らしのつくり方」第2回が5月26日に開催されました。ゲストは若杉真央(わかすぎ・まさひろ)さん、本学科OBです。若杉さんは静岡市清水に本社のある天野回漕店に勤務なさっており、アメリカの関連会社で社長を務めた経験もおありです。今回のインタビュアーは、ゼミの後輩にあたる4年生2人。

「ふつうの獨協生でした」と語る若杉さんですが、英語には自信があったとのこと。英語を生かした仕事がしたくて、地元の国際物流会社、天野回漕店への就職します。物流会社とは、たとえば製造業者から販売業者へと商品が配送されるとき、その配送部分を代行する会社のこと。天野回漕店では清水港を拠点としつつ、中国、タイ、アメリカなど海外と日本をつなぐモノの運送を手がけています。

働きはじめてみて、荒波のなか漁船に飛び乗る(!)というような苦労はあったものの、英語に関して言えば、業務に使う英語はほぼ決まっていたり、国際船舶の乗員は英語を母語としない人が多いためにかえって分かり合えたりで、さほど困難は感じなかったそうです。しかし大きな試練となったのは、アメリカの関連会社に社長として出向したときのこと。最初は早口のアメリカ英語を聞きとるのが大変だったうえに、初の管理職就任で初の部下を率いねばならず、アメリカでは日本の常識が通用しません。

困難な状況下での若杉さんの対処法は「自分の側の改善を心がけること」でした。早口の英語に一刻も早く慣れるため、仕事の合間にニュース英語を何度も聴くなど、地道な努力を重ねます。また同時に、周囲の人々はもとより、いろいろな業界の人々の話に真剣に耳を傾けることによって、「自分なりのアメリカ」を体得していったそうです。

社長としての任期を無事に果たし、現在は本社勤務に戻った若杉さん。視線はこれからのプロジェクトに向けられています。90年代のバブル崩壊以降、日本の港湾の総取引量は減少傾向にあり、日本で第7位の清水港も例外ではありません。今後は海外と海外を結ぶ物流ビジネスの展開に力を入れたいと熱く語っていらっしゃいました。

インタビュアーの二人は、物流? 回漕店? 海運会社? と最初「?」だらけでしたが、若杉さんに詳しくお話をうかがううちに具体的なイメージがつかめた様子でした。

 

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